真詩 6






【おっくう】


人気芸能人女性の
ブログは

台風状態を
数年保持していた

そこでは絶賛やら非難やら怒号やら希求やら
渦巻いて
異様な洋上のように
荒れていた

詩人となって
荒れる洋上を
まんなかへと

するとそこは
静かな場所となっていた

荒れる世界
争乱世界の
まんなかなら
静か

詩人にしたって

それをとやかく
詩として
表現するのは

おっくう





【ひとりの言葉】


集まった夢は

だれの夢?

あなたの声は

どこに行く?

たった1人の言葉が

あなたを満たす





【彼らの速度】


歩幅を合わせて

彼らは出掛けた

嘘から溢れた

嘘の例えに習って

彼らは急ぐ

彼らは急ぐ

彼らの速度は

とても悲しい





【いまどこかの】


いまどこかの
砂浜に
波が寄せて

いま私の心に
悲しみが届く

私は
悲しみの意図を追わない

ただあなたの声を探す
いつも
どこにでもある

あなたの声を





【原初の気持ち】


たけ高き建造物の

バルコニーに

群衆

しきりに

海を見下ろす

原初の生誕を

何度でも

確認

している

いま

空から原初が

降りてきて

群衆を

素通りする