真詩 3
【星】
星よりも
近いところに
笑顔がある
とても不思議な
ことだと思う
【祝福】
芯のある世界は
常に様相を
変化させながら
そこにある
日溜まりの
もんように
愛をとり置いたままで
旅を続ける
鍛え上げられた
間奏を持って
旅を続ける
きみを祝福する
【波音】
退散する
音のあがきを
波音とする
脚光を浴びることなく
波の飛沫を
浴びて歩く
圧力として
適度に降りかかる
恐怖は
根源の
永遠の
恐怖を
和らげる働きなどしない!
ただ下品なだけだ!
裸の存在として
小さなひとつの
島として
波の音を聞く
【風】
思い出してしまうと風が言ったけど
いつか来た場所だとしても新しい
【広場】
鳥
広場に降りず
声
数万キロ
翔る
あるんだと
気づかせる
暖かく
涼しい
広場
【ということで】
賑やかに人々が
集まっていても
誰かが一人そこに来ていないと
とても寂しい
百人集まる予定の会に
百人集まっても
一人いないような気がする
ことがないか?
俺はある
真詩 2
【草蝉】
南城市の
裏の丘に
草蝉
その蝉はとても
小さい
ある日
草蝉を
両手で
包んだ
持ち帰ろうかと
しかし両手を開いた
草蝉は飛んだ
僕は
海へと続く坂道を降りた
あの日
僕は
飛翔という
みやげを
持って帰ったんだ
【今のところ】
息を潜めて
うかがってるだけかい
だとしたら
今のところ
正直なのは
ニワトリだけだ
朝
夕
たすけてぇぇぇぇぇ
【マジック】
最初、月の光だけかと思ったよ
ふと、たどり着いた真夜に立ちはだかっていたのは
山岳会の小屋だ
沖縄に山岳会なるものが存在していることを初めてその真夜に知ったのだ
ギンネムが両側から押し寄せているので、小屋までの道は細い
月の光のマジックによって小屋へと導かれたと確信した
なんせ不思議なことなど毎日起きているのだから、素早く出来事の本質を独断で確信する習慣が出来上がっているのだ
小屋だからとて、気安くドアを開けて入る訳にはいかない。住宅街から程近いキビ畑のまんなかあたりなのだから
小屋を避けて歩を進める
すると、ぽっかりと円形の広場が現れた。草が短く刈り込まれている
何の目的に使われる広場が、検討もつかない。ところを、即、奇妙な儀式に使用される広場だと確信する
月の光が、まんまるな広場に集まっている
いや、月の光だけじゃない
あっちこっちから逃げてきた誰かの涙の光や、誰かの笑顔の光だのが集まっていると確信する
ことによると太陽の光さえきてると、思ったのだが、月の光はもともと太陽光の反射なんだと確信を新たにしたのだった
まんまるな光の広場で、おもむろにいなり寿司を食べた
いつも持ち歩いてるはずがない
その真夜だけなぜかコンビニのいなり寿司を一個持っていたのだ
真夜にまんまるな光の広場でいなり寿司を食べた
真詩 1
【静寂の器】
降りてくる
言葉
受け止める最初の器は小さく
高い峰に置かれている
溢れて流れて
大海に集う頃
忘れ去られた
意味が
帰路をたどり
上空へ
雲となり
待機する
常に
言葉を
吟味しているのは
小さく気高き
器であり
それが
個人である
あなたは
個人として
静かでなければならない
静寂の
峰にて
きみを待つ
【モクマオウ】
雨のように綴られた認識にスタンプを押し付けるのを
今すぐ止めなさい
すでにして
色褪せている
思わせ振りな
スタンプを
馬の繋がれていた
モクマオウの下に
置きなさい
もうすでに
乱舞する歓声も
量座する拍手も
静寂に吸い込まれ
安らぎを得ている
モクマオウの
繊細な輪郭が
縺れながら
時間を修復している
新しい時間の
流れのほとりで
きみを待つ
【帰る】
帰りついた場所
からさらに
どこかに帰ろうとすることはないか
俺はある
【進化】
適当な
天体にでも
乗せとけば
しばらく執着するだ ろう
ぐらいの
いい加減さで
設定されている
かもしれないぜ
生物の進化なんて
【ほんとうの言葉】
自動販売機に
コインを入れる
落下して
音ひびく
その音は
コインと自動販売機の
双方の音
ではなく
俺の音だ
だから
俺が
遠吠えで
聞かせる
俺の声は
君の
たましいだ
御覧
誰かが
いつか
解き放った
声の
ようにして
雲が
漂っているよ
アーティストに頼ってばかりいないで
君のほんとうの言葉を
解き放とう
あの
雲の下で
君を待つ
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