真詩 5
【山道】
山で
行き止まり
じゃない
山が
寂しさだとしたら
寂しさに含まれる道は豊かだ
雨が降っている
山の奥
山の麓
鳥たちの声
さまざまな声
【あてのないアンテナ】
近くの川を渡り
低い完成を笑い
高い虚空を避け
小さな声に頷き
大きな歌に誘われ
遠くの都会をくぐり
あてのない
アンテナは行く
【丘のそら】
日が照れば
日が照る丘と
なりにけり
雲海を
棚引かせつつ
なだらかにして
はるかなりけり
【天の川】
行く先々で
たましいを
連動させながら
はるかなる流れ
【島バナナ】
ある日
島バナナ
道の果てに
あらわれて
ひとしきり
場を賑わす
努力して
くふうして
賑わいを与えた
当然の賑わい
として
聴衆は受け取った
ある日
島バナナは言った
君たちは
島バナナじゃない
聴衆は
やがて
言った
どこかに
愉快な林檎が
いるらしい
君たちは
林檎でもない